ビタミンB12の重要性 悪性貧血

胃粘膜が萎縮することでビタミンB12の吸収に必要な内因子が低下するためにDNAの合成が障害されるために起こる。内因子の欠乏は他にも胃全摘後などにも起こるが、悪性乱交と呼ばれるのは萎縮性胃炎によるものだけである。「悪性」と呼ばれるのはビタミンB12が発見されるまでは治療法がなく致死的な経過をたどったため。
回腸末端には内因子受容体が存在し、ビタミンB12は内因子と複合体を形成することで吸収されやすくなる。そのため、内因子が欠乏するとビタミンB12逆援助が低下し、DNAの合成が障害されて無効造血となる。無効造血となるのは赤血球のみならず白血球なども同様であるため、汎血球減少をきたすこともある。
萎縮性胃炎は自己免疫によると考えられており、悪性貧血の患者には抗内因子抗体や抗壁細胞抗体が認められることが多い。その他にも副腎皮質ステロイドで萎縮が改善することや他の自己免疫疾患の合併も見られることなどがある。